「日本が反撃能力を持つこと」衆議院議員 まつばら仁

ロシアや中国、北朝鮮に囲まれる日本が反撃能力(敵基地攻撃能力)を備えることは、国民の安全保障はもちろん、地域の平和維持のためにも当然取り得る選択と考える。

先日の党外務防衛部門会議で防衛省から示された国家防衛戦略の10ページ目には、「わが国の意思と能力を相手に認識させ、わが国を過小評価させず、相手方にその能力を過大評価させないことによりわが国への侵攻を抑止する」とある。

この日本語表現は極めて分かり難く、改める必要がある。わが国を侵略する能力を持ち、またその意思を否定し得ない国家が存在する現実に対して、国民を守り、平和を維持するために必要な抑止力を持つことは当然必要であろう。

いわゆる反撃能力を持ち、三条件(存立危機、他に手段なし、必要最小限度)に適えば反撃能力を使用すると国際社会に明示することは、日本への攻撃を企む相手国を思いとどまらせる抑止力を生む。先の防衛省の言葉遣いは「わが国を過小評価させず」と慎ましやかだが、むしろ抑止という意味では、相手国が日本の防衛能力を過大評価する方が好ましいのではないか。

平和主義を貫くために自国が戦争を起こさないのは当然のことだ。同時に相手国に戦争を起こさせないようにすることもまた、平和主義国の使命だろう。その観点から、日本の反撃能力が、高い情報収集力と合理的な規範に基づいて即座に行使されることを、各国の軍幹部や政治指導者に徹底して知らしめる必要がある。

日本が反撃能力を可能な限り使用しないために、国家及び地域の平和を守る「情報戦」の視点を、重要な次の一手として指摘しておきたい。