北朝鮮による拉致被害者 の帰国が実現した場合の制裁緩和に関して 衆議院議員 まつばら仁 東京26区(目黒区・大田区)

北朝鮮による拉致被害者 の帰国が実現した場合の万景峰九十二号の入港許可など制裁緩和及び解除の条件に関する質問主意書を1月29日に提出しました。その政府答弁を受け取りましたので、国民の皆様に共有させていただきます。

北朝鮮による拉致被害者 の帰国が実現した場合の万景峰九十二号の入港許可など制裁緩和及び解除の条件に関する質問主意書

本職は、北朝鮮による日本人拉致問題の解決のために、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)への破産申立て、金正恩国務委員長への経済制裁措置、高麗航空への経済制裁措置、朝鮮総連の中央委員及び専従職員全員への再入国禁止措置、国際連合安全保障理事会(国連安保理)決議に基づく在日北朝鮮当局職員等への退去強制手続、北朝鮮関連国連決議の提出国復帰、国連安保理における北朝鮮人権状況に関する公開会合の開催要請等の具体策を提案し、政府に実現を迫ってきた。昨年8月、我が国、アメリカ合衆国等の要請で、国連安保理における北朝鮮人権状況の公開会合が実現したことについては、政府を評価したい。

一方、本職は、拉致問題担当大臣兼国家公安委員会委員長として在任中、いわゆる「松原三原則」を発表した。その主旨は「日本側は拉致問題の一定の解決について関係者間で共有認識を持ち、その解決について認められる回答と実行があった時には、人道支援を行い、また建設的な議論を始める」とする、北朝鮮との交渉にあたって日本がとるべき姿勢を示したものである。具体的には、拉致被害者が解放され、我が国に帰国して肉親と再会できたならば、対北朝鮮制裁の解除について前向きに検討するということである。

対北朝鮮制裁には、国連安保理決議に基づいていて我が国独自の判断で解除できないものと、我が国独自の制裁であり政府の判断において解除できるものがある。

一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づいて入港禁止となっている北朝鮮船籍の万景峰九十二号を、人道支援物資輸送に目的を限定して実施する前提で、政府の独自の判断で、入港を許可することはできるか。

二 北朝鮮政府が拉致被害者を帰国させた場合、制裁の緩和を行うためには、人道支援目的に限定するための具体的な方法や範囲の議論、検討が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

北朝鮮による拉致被害者 の帰国が実現した場合の万景峰九十二号の入港許可など制裁緩和及び解除の条件に関する質問に対する答弁書

一 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づいて入港禁止となっている北朝鮮船籍の万景峰九十二号を、人道支援物資輸送に目的を限定して実施する前提で、政府の独自の判断で、入港を許可することはできるか。

お尋ねについては、御指摘の「人道支援物資輸送に目的を限定して実施する前提で」及び「政府の独自の判断で」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、我が国の対北朝鮮措置として、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第3条第1項の規定に基づき、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認めるときは、閣議において、期間を定めて、同法第2条第2項に規定する特定船舶について、本邦の港への入港を禁止することを決定する等、同法の規定に基づく措置を実施してきているところ、お尋ねの場合を含め、特定の船舶が本邦の港への入港を禁止する対象となるか否かについては、同法の規定に基づき決定することとなる。

二 北朝鮮政府が拉致被害者を帰国させた場合、制裁の緩和を行うためには、人道支援目的に限定するための具体的な方法や範囲の議論、検討が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

お尋ねについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、政府としては、我が国の対北朝鮮措置の在り方について、拉致、核、ミサイルといった諸懸案をめぐる北朝鮮の対応や国際社会の動きを総合的に勘案し、不断の検討を行っているところである。

令和6年2月9日

まつばら仁の意見

北朝鮮による日本人拉致問題は発生から長い年月が経過してしまい、ご家族が高齢化し、お亡くなりにもなられています。早期解決が図られなければならないと考えます。

解決を急ぐためには、北朝鮮に対する制裁の解除についての検討も必要であって、拉致被害者が解放され、我が国に帰国して肉親と再会できたならば、人道支援を行い、また建設的な議論を始めるといった選択肢も取りうべきです。そのような「松原三原則」を今の日本政府とも共有させていただきました。

一日も早い北朝鮮による日本人拉致問題解決のために、拉致議連(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)などの活動も通じて、引き続きたたかってまいります。