学校給食における牛乳の扱いに関して 衆議院議員 まつばら仁 東京26区(目黒区・大田区)

学校給食における牛乳の扱いに関する質問主意書

 現在、多くの学校給食において牛乳が提供されている。これは、昭和二十九年文部省令第二十四号「学校給食法施行規則」第一条で、「学校給食の区分」として「完全給食」「補食給食」「ミルク給食」の三種類が定められているが、すべての区分で「ミルク」を給食すると規定されていることが根拠となっている。

 学校給食法施行令第一条に規定する学校給食の開設の届出は、学校ごとに次の各号に掲げる事項を記載した届出書をもってしなければならない。
一 学校給食の実施人員
二 完全給食、補食給食又はミルク給食の別及び毎週の実施回数
三 学校給食の運営のための職員組織
四 学校給食の運営に要する経費及び維持の方法
五 学校給食の開設の時期

2 完全給食とは、給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食をいう。

3 補食給食とは、完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食をいう。

4 ミルク給食とは、給食内容がミルクのみである給食をいう。

学校給食法施行規則 第一条


 一方、学校給食の現場では、次の①及び②の事実が認められている。
① 現在、主にアレルギーなど体質上の理由で、牛乳を拒否している学童が少なからずいると承知している。また、当職で調査したところによると、このほかに、ヴィーガン、動物愛護、地球環境保護など、思想・信条の理由から牛乳を拒否したいとする学童が近年増えているとのことであった。
② 多くの自治体では診断書の提出を前提に牛乳拒否を認めていると承知しているが、その場合でも、代替品を提供しない、給食費の徴求を受けたまま診断書の提出を毎年求められ続ける、などの問題点があるとの指摘を受けた。

 そこでお尋ねする。

一 給食の定義中「ミルク」とは、牛乳のほか、各種「植物性ミルク」も含むと解釈可能と考えるが、文部科学大臣の見解如何。また、当職と同見解であれば、地方自治体に同解釈を積極的に周知すべきと考えるが、同大臣の見解如何。

二 すべての自治体でまずは「診断書なしの牛乳拒否」を認めるとともに、牛乳を拒否したいとする学童・保護者が豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルクなど、植物性ミルクを選択できるよう進めるべきと考えるが、同大臣の見解如何。
また、それができなければ(給食費を有償とする自治体においては)給食費の減額を行うべきと考えるが、同大臣の見解如何。
 

令和6年3月19日

学校給食における牛乳の扱いに関する答弁書

一について

 お尋ねの「解釈可能と考える」の意味するところが必ずしも明らかではないが、学校給食の内容については、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第二条に規定する学校給食の目標を達成するため、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者において、学校給食実施基準(平成二十一年文部科学省告示第六十一号)に照らして、学校給食全体として必要な栄養素をバランス良く確保する等の観点から適切に判断すべきものと考えており、このような考え方は、例えば、「学校給食実施基準の一部改正について(通知)」(令和三年二月十二日付け二文科初第千六百八十四号文部科学省初等中等教育局長通知)の発出等を通じて周知してきたところである。なお、文部科学省としては、カルシウムの摂取に効果的であるとの観点から、御指摘の「ミルク」については、牛乳をはじめとする全乳及び部分的又は完全に脱脂した乳を想定している。

二について

 「「診断書なしの牛乳拒否」を認める」「べき」とのお尋ねについては、その意味するところが必ずしも明らかではないが、学校給食における食物アレルギーを有する児童生徒への対応については、文部科学省が監修し、公益財団法人日本学校保健会が作成した「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン(令和元年度改訂)」において、児童生徒の個別の健康状態への配慮の観点から、食物アレルギーを有する児童生徒の保護者が、学校の設置者に対し、医師の診断に基づく「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を提出することを求めており、食物アレルギーを有する児童生徒が、安心して安全に学校生活を送ることができるようにするため、現時点でこの取扱いを変更することは考えていない。

 「植物性ミルクを選択できるよう進めるべき」とのお尋ねについては、御指摘の「牛乳を拒否したいとする学童・保護者」の範囲及び「選択」の意味するところが必ずしも明らかではないが、学校給食の内容及び実施方法については、一についてで述べたとおり、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者において、学校給食実施基準に照らして、学校給食全体として必要な栄養素をバランス良く確保する等の観点から適切に判断すべきものと考えている。

 「それができなければ・・・給食費の減額を行うべき」とのお尋ねについては、学校給食に要する経費の負担について定める学校給食法第十一条の規定を踏まえ、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者が適切に判断すべきものと考えている。

令和6年3月29日

まつばら仁の意見

学校給食で必ず提供される牛乳に関しては、アレルギーなど体質上の理由に加えて、ヴィーガン、動物愛護、地球環境保護など、思想・信条の理由から牛乳を拒否したいとする学童が近年増えているとのご意見が私、まつばら仁に寄せられています。

特に、子どもを育てるお母さん・お父さんとお話ししますと、子どもの健康を案じる立場から何とかしてほしいとのご意見をいただきます。

診断書の提出によって牛乳拒否は認められるのが一般的です。思想・信条が理由となれば、診断書がなくても牛乳拒否が認められるべきです。

もちろん、牛乳を飲まない以上は、代替品が提供されるか、もしくは、給食費が減額されるのが当然であると考えております。

私は、ベジタリアン/ヴィーガンといった新しい食文化を応援する立場で ベジタリアン/ヴィーガン関連制度推進議員連盟 事務局長をつとめております。

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