岸田内閣の敗北の予算を糾す!〜令和4年度予算案

衆議院議員まつばら仁です。

昨年の12月24日に岸田内閣によって令和4年の本予算が閣議決定された。
その予算が敗北の予算であることを日本経済新聞の論説等を用いて説明したい。

岸田内閣の予算案はわずか1%しか未来への予算計上をしていない

日本経済新聞は岸田内閣によって閣議決定をされた予算がわずか1%しか未来への予算計上はされていない、と強い指摘をしている。

紙面において99%の予算が現状維持のために費やされることを指摘している。
現状維持とはすなわち、年金であり、様々な社会保険であり、様々な災害対策の予算であったりする。

その上で、この30年間における日本経済の退化に強い警鐘を鳴らしている。

まず第一に、日本経済が世界の中においてその規模を急速に収縮をしている。
かつて世界経済の15%を占めていた日本経済は現状5%までにその規模を縮小し、近い将来において2.7%にまで世界経済における規模は縮小するとしている。

2つ目に2027年に1人当たりGDPが韓国に抜かれ、翌年には1人 当たりGDPが台湾に抜かれると警鐘を発している。

3つ目にはかつて資産規模においてNTTが世界最大の企業だったが、現在は上位20社には日本企業が1社も入っていない。日本企業の凋落を指摘している。

なぜ日本の経済や企業は世界の中で時代の潮流から取り残されたのか?

なぜ日本の経済や企業は世界の中で時代の潮流から取り残されたのか。

日本人は農耕民族であり、リスクを負って新しいものに投資する感性には乏しい。

私は、日本人経営者が会社を設立しアメリカで上場したネクストミーツという会社を紹介したい。
その企業はまだ新しい企業で年商が5億円程度にもかかわらず、アメリカで上場し、株式総資産がピーク時に2500億円にも達した。
電気自動車のテスラにしても、営業実態や規模がトヨタ自動車よりもはるかに小さい状況であるにもかかわらず、膨大な投資資金が投入され株式総資産は早い段階でトヨタ自動車をはるかにしのいでいた事は注目に値する。
このことはアマゾンの成長のプロセスでも指摘されていることである。
つまり、企業が仮に赤字を計上したとしてもそれをはるかに上回る資金が株式によって調達をされるならば結果として企業が成長し時代に適応したものであるならば、最後には大きな資産を勝ち得るとことは実証されている。
私はネクストミーツが仮に日本で上場した場合には、せいぜい50億円ぐらいしか株式資産は集まらなかったのではないかと想定する。
なぜならば日本人はアメリカと違ってこうした先進的なものにリスクを背負って投資をする民間資本家が少ないからである。

明治時代の殖産興業で官営向上を国が設立をして日本の近代化を促し成功をした。
もしあの時に民間に資本があったとしても民間が新しい産業にリスクを背負って投資をすると言う取り組みは農耕民族の日本ではあまりなかったかもしれない。つまり日本の場合の新しい時代への産業の取り組みは民間資本ではなく国家が行わなければ成功しないという日本特有の個性があると考える。
そうした意味から、未来型の投資型予算が1%しかないという日本経済新聞の指摘は未来の日本の活力を考えるうえで極めて深刻な指摘である。

岸田内閣の予算案への批判

日本経済新聞は日本経済の敗北の現象を数字で示し暗に予算案に対しても強い批判をしている。

まずこの部分で私が指摘したいことは、アメリカのシンクタンクが指摘しているように凄まじいテクノロジーの進化によって、今ある仕事の47%は10年以内に失われるだろうと想定されていることである。

日本の予算の99%は現状維持に使われていると言う日本経済新聞の指摘は、今ある仕事が今後も続くという極めて時代認識の乏しい発想の中でのみ許される議論である。
まさに未来に対しての戦略的予算が1%しかないと言う事は国民の半数近くが全く仕事を失ってしまう可能性を近未来持つことに対し国が無策であるということを示している。

私は大学時代に経営史を学んできた。
世界の長い間に活力を維持し続けた企業は2つの特徴があるとこの学問では指摘をしている。
一つは、大胆な創造的破壊を周期的に行うことによって企業それ自体を若返らせていること。
もう一つは、長期的に未来に向かって布石を打つ戦略的意思決定を行い得るかことが企業生命の維持につながること。

私は今の日本の国家を経済の側面から企業経営として考えるならば、創造的破壊もなされていない上に、日々の日常の戦術的意思決定にのみ意識を持ち、長期的には活力を失うということを示している。

事実、日本経済新聞が指摘しているように長期没落は明確に存在している。

日本国家予算の10%は未来型の戦略投資として計上せよ

もし私が政権中枢にその活動を許されるならば、全予算の10%を超える金額は無条件に未来型の戦略的意思決定の予算として計上するルール作りをしていきたい。

結果として、長期的な一人ひとりの国民に対する国家の責務を果たすことにつながると考える。

かつてないほどにナノテクノロジーの分野、AIの分野、スーパーコンピューターの分野、ロボティクスの分野、5G6Gと言われる情報通信の分野、遺伝子工学の分野等においてテクノロジーが進化しているときに、現状維持は許されない。

この努力を怠るならば日本国民は総じて貧困な国家の貧困な国民となるに違いない。

私はこの30年における日本の予算全体が現状維持のみとする敗北の予算であることを、岸田内閣の予算閣議決定を見ながら強く警鐘を鳴らしておきたい。

官僚主導ではなく新しい時代に強い危機感を感じる私を含む政治集団によって、大きな創造的破壊と戦略的予算の執行を実現したい。

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