ドローンによるテロへの警鐘を鳴らした質問主意書に、政府が対応

ドローン(無人航空機)はこの10年で性能を飛躍的に向上させています。空撮、物流、農薬散布や建築物の保守点検など、様々な民間分野で活用が進む一方、2023年のロシアによるウクライナへの軍事侵略以来、ドローンが偵察から攻撃まで、軍事目的で兵器として使用されていることも、われわれは日々のニュース映像で目の当たりにしています。
安全保障に関わるドローン飛行の規制拡大へ
近年、遠隔操作や自動操縦による攻撃用のドローンの開発が進み、他国のドローンによる我が国周辺への飛来が急増するなど、ドローンによるテロの懸念が急速に高まる中、松原仁は6月に、『攻撃用無人機への対処に関する質問主意書』を衆議院に提出しました。
政府はこれに答え、「無人機が領空侵犯した場合、無人機にはパイロットが乗っていないため自衛隊は正当防衛や緊急避難に当たらなくても武器の使用ができる」、即ち、「撃墜できる」との見解を閣議決定しました。(『衆議院議員松原仁君提出攻撃用無人機への対処に関する質問に対する答弁書』)
「領空侵犯の無人機、正当防衛は緊急避難でなくても撃墜可能」政府が答弁書を閣議決定 (「産経新聞」2025/6/30)
https://www.sankei.com/article/20250630-DUBY7AXDGBDYPNMBDTKJUW5IZM
また、同答弁書では、国の重要な施設や外国公館、防衛関係施設、空港、原子力事業所等の周辺地域の飛行の禁止に違反するドローンに対しては、「飛行の妨害または撃墜」が可能であることも確認されています。
これを受けて、警察庁は今月7日から、重要施設上空でのドローン(無人機)の飛行を規制する法律の改正に向け、有識者検討会を行うことを明らかにしました。
検討会では、農薬散布や建築物の保守点検などの民間のドローンの利活用も考慮しつつ、飛行禁止区域の拡大や罰則の強化が検討されます。
ドローン飛行、警察庁が規制拡大を検討 高性能化でテロ懸念(「日本経済新聞」2025/10/2)
現行のドローン規制法では、国会議事堂や首相官邸、原発といった施設の他、自衛隊や在日米軍施設、空港などの重要施設敷地とその周辺の約300メートルの上空での飛行が原則として禁止されています。
松原仁「攻撃用無人機への対処に関する質問主意書」
質問本文:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a217332.htm
答弁本文:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b217332.htm