海底ケーブル の防護に関して 衆議院議員 まつばら仁 東京26区(目黒区・大田区)
近年、世界各地で海底通信ケーブルの破壊工作の可能性が指摘されています。インターネット、国際電話などのインフラである国際通信は、現在99%が海底ケーブルを経由して行われており、 海底ケーブル を防護することは極めて重要です。
そこで、以下の質問主意書を1月28日に提出しました。その政府答弁を受け取りましたので、国民の皆様に共有させていただきます。
海底ケーブル の防護に関する質問主意書
自由主義、民主主義、法の支配など、わが国と基本的価値観を共有する国々の間で、現在、破壊工作の可能性が指摘される海底ケーブルの損傷が、大きな問題となっている。昨年十一月、バルト海のスウェーデン王国領海において、中華人民共和国(中国)籍の貨物船が航行した後、海底通信ケーブルが損傷した件で、スウェーデン王国は、中国に対して、捜査協力を要請した。報道によれば、中国籍貨物船は錨を海底に下ろして長距離引きずっており、捜査関係者は故意に海底通信ケーブルを損傷させたとみているとのことである。ドイツ連邦のボリス・ピストリウス国防大臣は、同月十九日、本件について、「破壊工作と想定せざるを得ない」と述べた。また、昨年十二月、バルト海において、ロシア連邦産原油を輸送していたタンカーが錨を海底に下ろして長距離引きずった後、海底電力ケーブル及び海底通信ケーブルが損傷していたことが確認された。さらに、今月初め、中華民国(台湾)北部海域において、海底通信ケーブルが損傷した件で、台湾海巡署は、香港籍企業が所有し乗組員七人全員が中国人の貨物船が損傷させた疑いがあるとして、同船の次の寄港地の大韓民国に、捜査協力を要請した。
ニューズウィーク英語電子版は、今月十日、中国国家海洋局(当時)の工学者チームが、平成二十一年、錨型の「海洋曳航型切断装置」の特許を申請し、また、中国浙江省の麗水学院(大学)の工学者チームが、令和二年、改良型の「牽引型海底ケーブル切断装置」の特許を申請していたと報じた。記事には、国家海洋局チームが申請書に添付した錨型切断装置の図及び、麗水学院チームが添付した船で海底の錨型切断装置を牽引する図が引用されている。
それらを踏まえて、以下お尋ねする。
一 インターネット、国際電話等の我が国の国際通信は、現在九十九パーセントが海底ケーブルを経由して行われている。海底ケーブルを防護することの重要性について、政府の見解如何。
二 バルト海及び台湾周辺海域で、海底ケーブルの損傷が相次いでいることについて、政府の見解如何。
三 中国国家海洋局及び麗水学院が特許申請を行ったとされる錨型の海底ケーブル切断装置について、政府の知るところを明らかにされたい。
四 海底電信線保護万国連合条約罰則(大正五年法律第二十号)第一条は、「海底電信線保護万国連合条約ニ依ル海底電信線ヲ損壊シテ通信ヲ障碍シ又ハ障碍スヘキ危険ヲ生セシメタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ五十万円以下ノ罰金ニ処ス」と定め、有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第十三条は、「有線電気通信設備を損壊し、これに物品を接触し、その他有線電気通信設備の機能に障害を与えて有線電気通信を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」と定めるが、近年の海底ケーブルの重要性に鑑みて、五年を上限とする法定刑は軽きに失すると考えるが、政府の見解如何。
五 政府は、日中首脳会談及び日中外相会談において、海底ケーブル防護の重要性について中国側に提起すべきと考えるが、見解如何。
六 政府は、海底ケーブルの損傷に関わる捜査について、同盟国や同志国との協力を深化させるべきと考えるが、見解如何。
七 G7は、海底ケーブル防護に関するG7首脳声明を発出し、海底ケーブルに対する破壊工作を断じて容認せず、実行した国に対しては結束して制裁措置を実施し、厳しい代償を払わせる旨宣言すべきと考えるが、政府の見解如何。
右質問する。
海底ケーブル の防護に関する質問に対する答弁書
令和7年2月7日
一 海底ケーブル を防護することの重要性について
情報通信ネットワークに障害が発生した場合、国民生活や経済活動に甚大な影響を与えるおそれがあることから、お尋ねの「海底ケーブル」を防護することは極めて重要であると考えている。
二 バルト海及び台湾周辺海域で、 海底ケーブル の損傷が相次いでいることについて
バルト海及び台湾周辺海域でお尋ねの「海底ケーブル」が損傷する事案が発生していることは承知しており、これらの状況も含め、お尋ねの「海底ケーブル」を取り巻く状況について、引き続き注視していく考えである。
三 中国国家海洋局及び麗水学院が特許申請を行ったとされる錨型の海底ケーブル切断装置について
お尋ねの「海底ケーブル切断装置」に関する公開情報は承知しているが、それ以上の詳細については、事柄の性質上、お答えすることは差し控えたい。
四 海底ケーブルの重要性に鑑みて、五年を上限とする法定刑について
海底電信線保護万国連合条約罰則(大正五年法律第二十号)及び有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)における現行の罰則規定は、海底電信線を通じた電気通信の保護及び有線電気通信の安全かつ円滑な運用の保護の必要性のみならず、刑罰法規全体における均衡等を考慮して適切に定められているものと認識している。
五 日中首脳会談及び日中外相会談において、海底ケーブル防護の重要性について中国側に提起することについて
お尋ねの「日中首脳会談及び日中外相会談」については現時点で何ら決まっておらず、お尋ねについて予断をもってお答えすることは差し控えたい。
六 海底ケーブルの損傷に関わる捜査について、同盟国や同志国との協力を深化させることについて
お尋ねの「海底ケーブルの損傷に関わる捜査」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、捜査に係る国際的な協力の必要がある場合には、国際捜査共助の枠組み等を用い、適切に対応することとなると考える。
七 G7は、海底ケーブル防護に関するG7首脳声明を発出し、海底ケーブルに対する破壊工作を断じて容認せず、実行した国に対しては結束して制裁措置を実施し、厳しい代償を払わせる旨宣言すべきことについて
今後のG7の議論について、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたいが、一般に、令和六年六月十四日のG7プーリア首脳コミュニケにおいて「安全で強靱な海底ケーブルの接続に関する我々の協力を前進させる」とされている等、G7において海底ケーブルの安全性や強靱性の確保に係る連携の重要性を確認しているところである。
報道の反応
松原仁元拉致問題担当相(無所属)は「政府の知るところを明らかにされたい」などと質問主意書を提出した。政府は今月7日に閣議決定した答弁書で「海底ケーブルを取り巻く状況について、引き続き注視していく」としたものの、切断装置については「公開情報は承知しているが、それ以上の詳細については、事柄の性質上、お答えすることは差し控えたい」と回答を避けた。
台湾周辺では先月、通信用海底ケーブルが損傷し、海巡署(海上保安庁に相当)は中国人7人が乗る貨物船が意図的に損傷した疑いがあると発表。今月17日には、台湾本島と中国・福建省に近い離島、馬祖を結ぶ海底ケーブルが断線したことも明らかになった。
まつばら仁の意見
3月2日のYouTubeライブ配信でもこの問題を解説しました。ぜひご視聴ください。
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