TSL(テクノ・スーパー・ライナー)とは?
TSL(テクノスーパーライナー)は、国が開発支援した新型超高速船。 小渕内閣のときに、ミレニアムプロジェクトとして選定され、鳴り物入りで開発が推進された、わが国 造船技術の粋を結集したものといわれています。
長年にわたってその設置の是非が問われていた小笠原の空港問題に、建設せずとした石原慎太郎 東京都知事の決断によって、TSLの小笠原就航への流れが加速され、小笠原航路への導入に あたっては、国も都も全面的な支援を約束し、その就航によって小笠原の活性化に期待が高まって いました。
小笠原航路は現在、東京竹芝から父島までおがさわら丸で、25時間半の航海を余儀なくされて います。 予定通り、TSLがこの航路に投入されていれば17時間ほどで結ばれることとなったはずです。 船のスピードで9時間の短縮は大変なことで、およそ倍の速度で航行できるTSLはそれによって 年間の便数も倍増、多くの観光客を島に呼び込むものと考えられていました。 ところが、今年6月、秋からの就航の日を目前にして事態は思わぬ方向へと急展開を始めたのです。