我々、民主党デフレ脱却議連は、与党である国民新党、野党である自民党、公明党、みんなの党、社民党の有志議員、さらには民間の有識者とともに議論を深め、デフレ脱却国民会議として、昨日、下記のような緊急アピールを発表した。 実は、あの震災の発生した3月11日の朝、我々は与野党の垣根を越え、超党派のデフレ脱却国民会議として他党と共闘し、統一行動を行っていた。民主党、自民党、みんなの党のそれぞれの代表の方々、(民主党は小沢鋭仁議員、石田勝之議員、自民党は中川秀直議員、山本幸三議員、みんなの党は渡辺喜美議員)及び3党の賛同する多くの議員ら都合20名と共に、民主党、自民党、公明党、みんなの党、共産党、国民新党、社民党のそれぞれの政調会長もしくは副会長を訪問して日銀法改正の必要性を訴えた。 その時の映像は、昼のNHKニュースでは辛うじて放送されたものの、その後に発生したあの大震災によって、ほとんど報道されることはなかった。 今回は、さらなる広がりをもって公明党や国民新党、社民党にも主体的な参加を促す形で記者会見に臨んだ。 少なくとも、デフレ不況下の社会において、そして災害復興に対して、増税で財源を確保しようとする発想自体が間違っているということを、良識ある声として強くアピールする狙いで行った。とくに国民新党の亀井代表は、全く松原議員の言う通りとしたうえで、亀井亜紀子議員を党の代表として派遣していただいた。 ただし、マスコミの報道は、それを菅内閣に対する倒閣の動きのようにあえて曲解を加えたり、声明内容における最も重要な政策提言については全く触れようともしない。 私は、このデフレ不況下においての経済政策についてかねてからその処方を訴えてきたし、この記者会見における質疑は、かなり意味のある内容であったが、それを政局的観点からしか捉えようとしないマスコミ報道には、日本経済の深刻な状況を考えると大きな疑問を感ぜざるを得ない。 例えば、アメリカの格付け会社の日本国債の評価が下がったことについての質問が、日本経済新聞の記者から寄せられたが、自民党の山本幸三議員が、リーマンの問題や、アメリカの金融危機のことを全く予知できない彼らについて評価する能力があると考える方が間違っているという指摘は、実に明快であったし、また民主党の金子洋一参議院議員が、デフレ下において増税を検討しているということが、当然そういう評価になった可能性があるという指摘も十分人を説得できるものであった。 尚、アピール文は下記の通りである。平成23年4月27日デフレ脱却国民会議緊急アピールデフレ脱却国民会議(呼びかけ人代表 勝間和代)およびこの会を支援する超党派の国会議員は、震災で被害を受けた人々を救うため、いますぐ震災国債を日銀の買いオペ対象とすることを要求します。震災を口実としたあらゆる増税に反対します。古今東西、増税で景気回復した国はありません。また、このまま何もせずにいれば日本全体が貧しくなってしまいます。増税ではなく、震災国債の日銀買いオペを求める3つの理由1.増税では間に合わない2.増税では金額が足らない3.増税では日本全体がダメージを受けるデフレが長引く日本だからこそできる唯一の方法があります。それは、震災国債を日銀の買いオペ対象とすることです。具体的には今すぐ日本政府が震災国債を発行し、国会が決議した上限まで日銀が買い入れるという方法です。メリット1.すぐにできる(その気になれば明日でも資金調達可)2.巨額の資金が調達できる(日銀は日本円をいくらでも調達可能)3.日本全体にデフレ脱却効果(デフレはお金不足で発生する通貨現象です)現在、約170兆円の国債発行額のうち、約12兆円が日銀引受により消化されています。このことでこれまで極端なインフレが発生したことがありませんでした。また、歴史上コントロールできなかったインフレが発生したのは、戦争後の生産設備が徹底的に破壊された状態のみです。中央銀行がきちんとオペレーションできればたいていのインフレは制御できます。最近の例では、1989年に年5000%インフレに見舞われたアルゼンチンが、1991年からのカバロプランにより1993年には年7.5%程度までインフレ率を抑制した例があります。いまこそ、震災国債を日銀の買いオペ対象とした政策の実施を求めます。以上民主党、自民党、公明党、みんなの党、国民新党 有志一同(オブザーバー参加:社民党)デフレ脱却国民会議 呼びかけ人一同