本日、私が会長を務める「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟(略称 デフレ脱却議連)」の有志で下記の通り、「日本銀行に根本的な円高対策を求める緊急声明」を発表しました。********************************民主党・デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟有志日本銀行に根本的な円高対策を求める緊急声明平成22年8月30日 本日8月30日、日本銀行は臨時の金融政策決定会合を開催し、年0・1%の固定金利で金融機関に資金を供給する「新型オペ」の資金供給規模を現在の20兆円から30兆円に引き上げる等を決定した。 金融緩和に踏み切った点に一応の評価はできるにしても、あまりに遅く、また不十分な規模であり、かねて国際的に指摘されている「トゥーリトル、トゥーレイト」な対応を、またもや繰り返したとの誹りを逃れ得ないものである。 今回のような対応は、本来なら8月9、10日の決定会合で実施しておくべきであり、また遅くとも8月23日の菅直人総理と白川方明日銀総裁との電話会談直後に行われるのが当然であった。遅きに失したと言わざるを得ない。 また、緩和の内容についても、すでに織り込み済みの内容を越えるものではなく、海外を含む市場関係者にサプライズを与え、円高に対する断固たる決意を示すだけの規模となっていない。 私たちは今回の円高危機にあたり、本格的な日本銀行のバランスシートの拡大こそが最大の対策であり、今の日本経済には必須であると考える。 現在の円高ドル安の進行は、日米の金融政策のあり方の差が原因で生じている。これは平成20(2008)年9月のリーマンショックへの対応で、FRBが直ちにそのバランスシートを二倍以上に拡大した時点から予測可能であった。円高が進めば、輸出を中心にわが国経済に大きな影響が出ることも容易に想像できたことである。 それにもかかわらず日本銀行はこれを座視しなんら抜本的な対策をとらなかった。日本銀行は民間からの資金需要がないために資金供給が増やせなかった等としているが、いつまで金融緩和が続くか明らかにされていない状況では、いかに足下のベースマネーが潤沢であろうと民間の設備投資などの資金需要が喚起されるわけもない。 そこで、われわれ民主党デフレ脱却議員連盟有志は、実効性のあるデフレ・円高対策として、日本銀行が、次回9月6、7日の金融政策決定会合においては、金融緩和をどの時点(例えば消費者物価指数が継続的に2から3%を上回る等の時点)まで継続するかを明示するという説明責任を果たしながら、米国と同程度以上の金融緩和への取り組みを行うことを求めるものである。 以上*******************************明日は「デフレ脱却国民会議」による緊急シンポジウムが開催されます。
デフレを克服する議員連盟の会長として活動をしてきた。いうまでもなく、デフレ問題は今日の日本経済における最大の問題である。 簡単にいえば、金で持つことが最も安定的にその資産を拡大することにつながるということとなる。ある企業が、付加価値の高い製品を作り利益を上げたとしても、その製品を作るための工場を建設するのに土地を購入して建てた結果、資産デフレで土地の評価が下がり大きな損失を蒙ったときには、その企業はその工場をつくり、製品を作ったことが間違った決断だったということとなる。資産デフレは経済活動を停滞させる所以である。 つまりデフレは投資をする意欲を減退させる。しかし、問題は投資意欲の阻害に止まらない。たとえば冷蔵庫を買おうとする主婦が、2ヶ月先に冷蔵庫の値段がさらに下がると考えれば購買を控える。つまりはデフレによって購買意欲は抑制される。又、個人が自宅を修繕しようとする場合、給料はデフレによって下落している場合が多い。名目の金利がゼロであってもこれだけのデフレが続くとデフレ分の実質金利があるということで、新たな借り入れをおこし修繕する意欲は発生しない。最も深刻なのは、すでに借り入れをおこし自宅を購入した勤労者である。デフレによってしばしば発生する給料の下落もしくはボーナスの消滅によってローンの支払いは困難となる。しかしながら自宅を売却しようとしても購入した価格の半額近いデフレによる資産下落が生じている。その結果自宅売却をして住むところを失い大きな借金だけが残る。 また、給料の値下げにデフレがつながる可能性が大きく、更にデフレによって生産活動の停滞等が解雇につながる可能性が伴う。こうした事を考えると、デフレ脱却は国内の経済活動の上で急務である。更に国際社会に目を転じてみれば、デフレが進むことはそれだけ貨幣の価値が上がることにつながるので為替の上で円高となり、国内の輸出産業には大きなダメージとなる。当然ながらこうした輸出産業のダメージは、それに関連する下請け孫請け等の多くの破綻や解雇を生じさせることとなる。したがって、デフレ脱却は今日の日本の経済の最大の課題である。 先般、消費税をあげることによる、経済活性化の荒唐無稽な議論が展開された。日常使う商品に関わる消費は多くの国民にとって必要不可欠なものだから、そこにプラス5%の消費税を上乗せすることによって、それぞれの家庭におけるタンス預金がお金に市場にひっぱりだされる仮設にあった。しかし、この仮説の大きな間違いは、消費税はこの経済において内税的認識の中に存在することを勘定に入れていないことである。そもそも1万円の商品で5パーセント消費税を内税で考えれば、約9500円の製品と約500円の消費税である。10%の消費税とすれば、約9000円の商品と約1000円の消費税になるだけのことである。政府が期待している約9500円の商品と約1000円の消費税とはならない。家庭でタンスに眠っているお金が新たに出ることはなく、商品の値段が下がるだけのことである。このことは結果として会社の売上を減少させ、給料の引き下げ、勤労者の解雇につながる。 また、ギリシャ危機をみて、この瞬間から財政再建を即座に行えという短絡的な議論が行われた。もちろん、私も財政再建は必要と考えている。 しかし、ここで明らかにしておく事はギリシャはユーロの中の国の一つであり独自の金融政策はうてないし、貨幣発行権も許さない。 また、政権交代によって、前政権の粉飾が明らかになり、国債の暴落を引き起こした経緯がある。これに対して日本は、金融政策を自国の意志で貫徹することができ、また、世界の中でも「ハードカレンシー」と呼ばれる、「円」という強い通貨の発行権をもっている。 私は、財政再建の必要性は急務だと考えているが、一定の経済の活性化は超超急務だと考える。例えて言えば、肥満の肉体を筋トレしないといけないのは当然である。筋トレをしない肥満体では、少しの山歩きでも息切れを起こしてしまうであろう。財政が健全でない国家は、筋トレのない肥満の肉体のようなものである。 その後起こる国内社会の変化、国際社会への対応において、十分な対策を練ることはできない。しかし、肥満な肉体の人間で風邪をひいていた場合、まず最初にやるべきは何であろうか。風邪を治してから筋力トレーニングをするべきであろう。今日の日本は、確かに財政再建をし、無駄なぜい肉を落とし、筋力トレーニングをし、将来の高齢化医療費増大にそなえなければならない。国家の筋力トレーニングは必要かもしれない。しかし、それ以上にデフレという大風邪をひいているのである。したがって、この風邪を治すことが急務である。 私は、今からの消費税論議を否定はしない。今から消費税の在り方を議論するために、3、4年の時間が必要であろう。 一方、デフレ風邪の克服は今すぐの課題である。しかも、今すぐ出来るのである。私は、財政出動は必要であるが、現下の厳しい予算のなかでは金融政策が主体と考える。私が会長を務めるデフレ脱却議員連盟では、過去十数回におよび、多くの講師を招き喧々諤々の議論をしてきた。我々の結論は既に述べてあるとおりである。日本の中央銀行である日銀の政策と、ヨーロッパ中央銀行、イングランド銀行、アメリカFRB等との施策の相違が結果として、リーマンショック以降の経済の収縮に対する対策が、イギリスやヨーロッパ、アメリカで成功し、日本で成功していない基本的な理由の一つと考える。 それは現象的には、リーマンショック以降のデフレ脱却に成功したところでは、なだらかなインフレがみられる。重要な事は、リーマンショック直後の3ヶ月において、イングランド銀行では3倍、ヨーロッパ中央銀行では1・5倍、アメリカのFRBでは2.4倍も市中における通貨量が増大している。 それだけ、たくさんの貨幣が市中に出れば、経済活動が活性化し、デフレに対し、有効である。日本の場合は日銀が通貨供給量を1.05倍にしかしていない。社会に金が流れない。金が不足している。 もし、日銀が市民生活を脅かすインフレ懸念を抱いているとすればバカげた話である。国民新党が指摘しているように、需要と供給のギャップが100兆円の供給過剰というのは極端であるが、政府の公式の見解でも30兆円近いデフレギャップが存在している。そうした状況でインフレは簡単に起こらない。 むしろ、こうしたアメリカや、ほかの国々における通貨量の拡大が日本の円高をさらに深刻なものにしている。簡単に考えれば日本の円が従来と同じ分量でドルが二倍の分量になればドルの価値は円に対して半分である。したがって、リーマンショク以来、円の量が同等であり、ドルの量が二倍となっていれば、ドルは円に対して半分の価値となり、円はドルに対して2倍の価値となる。もちろん、現実の経済はそれぞれが生きているし、その生産構造や新製品の開発など多くの要素があるから、こうした単純な議論に集約はできないが、こうした中央銀行の姿勢の違いが急速な円高を当然呼び起こすことは理解すべきである。 かつて、テーラー溝口会談において30兆円規模のドル買い円売りの介入が行われたことがある。今日の一ドル84円、85円という為替レートは5年近く前にOECDが各国の購買力平価基準としたときの一ドル120円をはるかに逸脱している。したがって、我々議連が提言をしている非浮体化の状況における、日銀の資産拡大が求められる。 さて、来たる8月31日、勝間和代さん、宮崎哲弥さん、田原総一郎さんなどによる、緊急シンポジウムが、デフレ脱却国民会議の主催で催される。国会議員のパネリストでは、民主党からは私、松原仁、自民党からは、政調副会長 山本幸三衆議院議員、みんなの党からも参加をし、デフレ脱却への国民的合意を盛り上げるつもりでいる。 私は、民主党のデフレ脱却議連の会長として、経済の血液をお金になぞらえ、あたかも血液中のヘモグロビンが酸素を運ぶように、すべての日本の勤労者に、その勤労機会の拡大と勤労の報酬としての貨幣を運び、社会全体が通常の意味での活力を回復するよう、これからも頑張っていきたい。 なお、この間、デフレ脱却議連では、7月31日には、野田財務大臣に「デフレ脱却・経済成長プログラム」の申し入れを行ったり、8月13日には記者会見を行い、「早急かつ徹底的な円高対策を求める緊急声明」を発表した。
今回の談話でいくつかの問題点がある。 その一つは、ほかの国から見て謝罪談話と認識される談話を出すことそのものの問題である。海外から見て、こうした日本の態度は、常識的な名誉を重んじる諸国家から見て、自分たちと異なるメンタリティを持つ国家とみなされるだろうと考える。外国で生活をしてきた経験をもつ方々が、日本に帰り自分の国に対して最も憤りを持つことがこの点にあるという。彼らが、欧米を含む国家で生活をしてきて、日本に帰国して大きな違和感を感じるということも、戦後の国際社会のなかで日本の常識が世界の非常識であることの証左と言える。おそらく、海外で生活をしてきた日本人においては、今回の謝罪談話に対して、常識的でないという答えが少なくないのではないかと私は考える。考えてみれば、アメリカは日本に原子爆弾を落とし無辜の生命を原 爆後遺症など後世にまで大きな被害を与えたことに謝罪はしていない。また、東京大空襲など、当時の国際法に照らしても許されない無差別爆撃についても謝罪はしていない。原子爆弾については東京裁判においても、参加したアメリカの弁護士が指摘するように、本来こうした裁判で、なぜアメリカの大統領や原子爆弾投下を命令した軍人が法廷にいて批判に対しての釈明をしないのかといった疑念が表明された。 終戦ののちに、旧ソビエト軍が、北方領土を武力制圧し、また本国の命令で武装解除した何十万人もの日本兵を、シベリアの極寒の地域に拉致し、強制労働をさせて、多くの兵士がそこで死に、その墓標すら明らかでないという、このあまりに明快な国際法違反にして人道上許されないことについても、我々は謝罪を求めていない。 少なくとも、韓国との戦後賠償の補償問題については、二国間で解決済みのものである。それを謝罪し続けることが高貴な行為であると考える感覚は、逆に徒に、日本人の気概を失わせる可能性があると考える。 ことわざに衣食住足りて礼節を知るということがある。この衣食住とは、経済的な部分である。最低限の文化的生活であり、人によってはより豊かな生活を求めることとなる。 さて、そのより豊かな生活とは何かといえば、その生活によってより大きな精神的満足を獲得できる生活ということである。衣食住は、礼節、つまり精神的により満足することの条件である。 古代から多くの国家がその国家の誇りを重んじたのは、物質的経済的な繁栄を含めて、その経済的活動は、最終的には精神的高揚や誇りを高めるためのものであるということを知っていたからである。 どんなに経済的に繁栄をしても、自虐的な国家では、衣食住足りて気概なしということになる。それは衣食住足れどもなお礼節に至らずということでないだろうか。海外からの帰国子女においては、それぞれの国家がこのプライドを維持するためにどれほどのエネルギーを割いているかということを見てきている。このことが、彼らにとって違和感として発生するのである。 したがって、私は今回の謝罪談話自体に対して遺憾であるし、従来から村山政権、小渕政権、小泉政権で謝罪談話を頻繁に繰り返し出してきたことは、日本の気概を失わせしめてきたと批判したい。 2番目に、その内容について、従来は、アジア諸国民に対するお詫びと言っていたものを、韓国という特定地域に限定した事である。こうした事を談話に盛り込むと、次は、ほかのアジアの国々から謝罪談話を要求された時どういう理由で断るのかが問題となる。中国が、盧溝橋について謝罪談話を出せと言ったら断るのか。その理由は何か。こうした問題についてきちっと精査をした上での談話発表であったのか疑問がある。 もし、こうした要求に対して一つ一つ謝罪談話を出すとすれば、これ以上日本人のやる気を失わせしめるものはないであろう。子供の教育でも、(お前はだめだ。反省しろ)と毎回反省を迫られる子供と、きみは立派だ、頑張れと叱咤激励される子供と、一体どちらが、やる気を出して頑張れるかを考えれば、後者のほうが気概を持って頑張ることは当然だと私は考える。今回の談話はこの部分でさらなる危うさを持つ。 3番目には、こうした談話が、教育上、教科書採択に影響を及ぼす可能性である。多くの国民が義務教育で、日本の反省点を誇大に強調した教科書を読むことは、海外において、贖罪意識を持って活動する多くの日本人をつくることにつながる可能性がある。 4番目に、日韓両国において、請求権を放棄している様々な問題に、今回の宮内庁の文書返還が影響を与える可能性があるのかという問題である。私は、この問題についていえば、韓国内に残し日本が放棄した日本財産の請求権についても、議論する必要が起ると考える。少なくともそうした事を双方、完全に放棄したはずである。 5番目に、「意に反して」という表現である。歴史的には、韓国内において、ロシアに組み込まれるのか、日本に組み込まれるのか、かつての宗主国中国の属国に戻るのか、等の様々な韓国内における党派の争いがあったといわれている。イギリスやアメリカの要望もあって、また韓国内のある政治グループの要請もあって、国際法上の適切な経緯を経て併合が行われた。もちろんそのことが、当事者である韓国の人々にとっては、納得できるものではなかったかもしれない。しかし、当時の国際社会においてはしばしば起こり得たことである。 日本と明治の初めに交わしたアメリカやほかの列強との条約が、日本に関税の自主権もなく、治外法権すら認めてしまった不平等条約であったことは周知の事実である。そしてその条約の改正は、日本にとって悲願であり、何十年もかけて、実現をしている。別にそのことについて、我々はアメリカやイギリスやフランスに謝罪を求めるようなことはしていない。それがその当時の国際的な常識であったからである。今回の謝罪決議は、国際的には、極めて異例であることはこうしたことからも明快である。 重要な事は、今回の談話が、健全な日韓関係をかえって不健全なものにする可能性があるのではないかということである。 国際的常識にかんがみて、あまりに一方が卑屈であるときに、それは両国にとって、むしろ健全な関係を損ないかねないということを私は指摘しておきたいし、決着済みの賠償問題に飛び火しないことは確認しておきたい。
民主党・デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟有志早急かつ徹底的な円高対策を求める緊急声明 平成22年8月13日 今般、米景気の先行き不安に伴い為替相場が一時15年ぶりの高水準となる1ドル84円台に突入するなど、急激な円高が発生している。 米FRBは景気の先行き懸念に対し、即座に信用緩和政策の再開に踏み切るなど、機動的かつ大規模な金融政策を展開しつつある。 一方、わが国の政策当局の反応は緩慢かつ危機意識に欠けると言わざるを得ない。政府は円高に対し一定の対決姿勢を示したものの、その発言や行動にさらなる踏み込みを期待する。 また、日本銀行にいたっては、金融政策決定会合を開催したにもかかわらず具体策を打ち出すことなく、あまつさえ関係者が今回の経済危機を軽視するかのごとき発言を行うなど、あまりに当事者意識が感じられない。 かつてリーマンショックにおいて、米欧発の不況だったにもかかわらず、金融政策の対応の失敗と長期にわたるデフレによってわが国経済は諸外国を上回る損害を被り、「ひとり負け」ともいうべき苦境に陥った。このままでは今回も、日本経済が再び「ひとり負け」を繰り返し「二番底」に陥る可能性も否定できない。 現在の円高を放置すれば、輸出産業の業績悪化を引き金として、外需主導で景気回復が図られてきた日本経済が再び低迷し、デフレがさらに深刻化するのは必至である。デフレからの脱却を進め、我が国の経済を回復軌道に乗せるためには、適正な為替水準が維持される必要がある。 そのためには、政府においては為替介入の実施についての検討、その実施のために国際的な理解を得るための外交努力などをただちに開始するとともに、日本銀行においては直ちに大幅な金融緩和に踏み切る必要がある。 以上、われわれは、日本経済を安定化させ、国民生活を守るため、政府及び日本銀行に対し、適正な為替水準を維持するため、早急かつ徹底的な円高対策を求めるものである。